2017年12月18日月曜日

第二回鳥渡句会追記:季語について/お題の跨りについて/歴史的仮名遣について

〈追記:季語について〉
「新年の季語」というのは「正月」「初詣」「成人の日」「鏡割」「福寿草」など、『歳時記』に「新年」として項目が立っている季語の一群です。
「暮・新年」という区切りでまとめている歳時記もあるのかもしれませんが、今回は年末の季語(「大晦日」「煤払ひ」「除夜の鐘」など)は含まないことにします。

基本的に句会当日の季節にあたる季語がその句会に最もフィットする季語だろうという考えです。
今回は1月13日開催ですので、選句時期も含め新年の季感の中で読まれることを意識して作句するのがいいんではないかと考えております。

とはいえ、作句時期からして年末の季語でいい句が出来てしまうことがあります。ではそれを「冬の季語」として「ちょ」しばりの一句として出していいかどうかですが、これも句会の開催時期を考えれば、もう過ぎ去った季感を持ち込まないようにする方が「場」に配慮した出し方かと思います。
そう考えていくと冬の季語の中でも初冬感のあるものは使わないほうが良いということになりますね。

ただ、多少季感がずれてしまっていても句の魅力がダントツなので特選! ということもあり得ます。その辺が面白い所でもあるので、あまり固いことは言わずに最終的には作者の判断で勝負してもらえれば良いと思っております。
(あまり思い切って逸脱すると逆選のリスクもありますので、その辺も考えどころですね)

※『歳時記』はなくとも、ネットで「季語 新年」で検索すると結構紹介されております。
(一例↓)




〈追記:お題の跨りについて〉
今回のように「季題」と、「しばり」が出た場合、そのどちらとも取れる句が出来てしまう場合があります。
また意図的にも作ろうと思えば作れます。
極端な話、三句とも新年の季語でありかつ「ちょ」句として作ることも可能です。
(※「ちょ」しばりの方には、「新年以外の冬の季語で。」と追加しましたので、今回それはなしですが)

結論としては「新年句」に「ちょ」が入っていても、ありと考えております。(「猪日」や「ちょろぎ」などという素敵な季語もありますので。)。

ただ、季語にせよしばりにせよ、お題はそれぞれ一句の中で一つずつシンプルに魅力を発揮させた方がきれいなように思います。
「季重なり」と言って、季語が二つ以上入っている句は一般的によろしくないと言われています。それと同じかなと思います。

とはいえ、いつも言っておりますが、ルール的に多少逸脱していてもあえて(逆選のリスクを負ってでも)句としての良さで勝負するかどうかは、最終的には作者自身の判断に委ねたいと思います。




〈追記:歴史的仮名遣について〉

歴史的仮名遣い辞典

というものを見ておりましたら、「ちょ」に関わるものとして次のようなものがあげられており、ちょっと衝撃を受けているところです。

~鳥: ~てう
丁子: ちゃうじ
手水: てうづ
頂戴: ちゃうだい
蝶々: てふてふ、てふちょ
提灯: ちゃうちん
丁度: ちゃうど
手斧: てうな

これでいくと、今回「ちょ」しばりの例語としてあげた「身長」などは「しんちゃう」となるのかなと思いますが、こういう辞典はすべての語が書いてあるわけではなく、正直はっきりしません。(「町長」は「ちゃうちゃう」になるのかな)。

しかしながら、今回お題にしているのは、〈「ちょ」の音を含む言葉〉でありまして、〈「ちよ」と書く言葉〉ではありませんので、「身長」も「町長」もありと考えます。新仮名遣いは間違いということでもありませんし、実際多くの俳句が新仮名遣いでで作られているし。

だだし、旧仮名遣的にもこだわって正しく作句したいという向きもあろうと思いますので、そういう方はあらかじめ辞書などで調べ、確実なもので作っていただいた方が気持ちいいのかなと思います。


(徳山)



2017年12月16日土曜日

第二回鳥渡句会(新年句会)開催概要

第二回鳥渡句会「新年句会」開催概要をお知らせします。


〈開催日時〉
2018113日(土)17時より。

〈お題〉
・新年の季語で二句。
新年の季語は各自歳時記などを参照してください。(←新年の季語とは「正月」「初詣」「鏡割」などです。「大晦日」「除夜の鐘」など年末の季語は含みません。※12/18追記)。

・「ちょ」しばりで一句。
「貯金」「身長」「チョーク」など、「ちょ」の音を含む言葉を入れてください。冬の季語も必要です(←新年の季語ではない一般的な冬の季語で。※12/17追記)。

計三句となります。投句数は厳守してください。

〈投句締切〉
201817日(日)※鳥渡営業時間内まで。

〈エントリー方法〉
席数に限りがあるため、先着順となりますことをご了解の上、下記のメールアドレスにお名前をお送りください。


〈参加定員〉
店長を含め10名とします。上記アドレスに届いた先着順で決定し、メールおよび当ブログでお知らせします。(参加の方は句会当日開始時間までに確実に来店お願いします)

〈投句方法〉
鳥渡店内の投句袋に設置の短冊に、俳句と自分の名前を書いて、俳句のみが見えるように端を折り曲げ、ホチキス等で留めて、投句袋に入れてください。(詳しくは袋にも書いてあります)

〈選句〉
締切後速やかに選句用紙を作成し、メールで配布および店内にも設置します。参加者の方は、句会開催時間までに各自選句しておいてください(選句数は選句用紙に記載します)。

〈一般投票〉
句会当日までの間、店内に置いた選句用紙に対し、一般のお客様からも投票いただきます。句会参加者の互選とは別に集計して発表します。


以上、何卒よろしくお願いいたします(徳山)。

2017年11月5日日曜日

第一回鳥渡句会 結果発表

<上位10句>
 
手土産はフィルムケースの金木犀(黒羽)
鳥渡るかつての海の草の波(comy)
空箱を抱けば温か鳥渡る(徳山)
ポケットに出さない手紙鳥渡る(黒羽)
栗の木の茶匙の軽さ小鳥来る(橋本)
鍋底に秋刀魚の光る複露光(広瀬)
鳥わたる繰言聞いてゐる素振り(橋本)
カメラ置く畳の上や秋の宿(徳山)
朝風呂の雨音の先小鳥来て(松谷)
また撮ってとってもとってもいわし雲(松谷)



<優秀者>

正選王 黒羽真知子 10点
特選王 黒羽真知子 8点
絶対値王 黒羽真知子 16点

*

人気投票正選王 松谷友美 14点
人気投票特選王 黒羽真知子・広瀬勉 6点
人気投票絶対値王 松谷友美 14点



<開催概要>

●お題:
1.季語しばり 
 「鳥渡る/小鳥来る」のどちらかで2句。
 ※両方おなじ季語でも変えても可。
 ※「渡り鳥」「小鳥来て」のような活用形も可。
2.テーマしばり 
 「写真にまつわること」で1句(秋の季語も必要)。
 
●投句締め切り:2017年10月22日(日)
●句会開催日:2017年11月3日(祝)17時〜19時
●参加者:9名(広瀬、徳山、黒羽、安部、荒井、松谷、橋本、comy、百合)
●投句:バー鳥渡に来店の上、店内の専用投句袋に1人3句を投句。
●選句:締め切りまでに集まった句を選句表にまとめ、参加者に送信&お店に設置。
参加者は句会までにあらかじめ選句しておく。
●選句数:特選1(2点)、並選5(1点)、逆選1(−1点)。
●人気投票:一般のお客様からも、人気投票として選句を募集。得点は別途集計。







<選句表(徳山のを清書したものです)>




<人気投票集計(お客様の投票をまとめました)>




以上。


当日の写真:

 北口のサンドラッグに鳥渡る(徳)